昼間の眠気対策ができるコーヒーナップをご存知ですか?
コーヒーナップって聞いたことありますか?
私も最近、医療雑誌で初めて聞いた言葉です。笑
昼間の眠気対策として有効なので、昼間眠くなりやすい人、特に昼食後眠くて集中力がなくなって困っている人はぜひ取り入れてみてください。
コーヒーナップって何?
コーヒーナップ(Coffee nap)とは、カフェイン入りのコーヒーを飲んでから15分程度の短い仮眠(ナップ)をとる昼寝スタイルのことです。
コーヒーに含まれるカフェインには、脳内のアデノシンという眠気や疲労感を感じさせる物質を抑制する効果があります。カフェインは飲んでから15分前後で脳に届きます。この15分のタイミングを利用して、カフェインが脳に届きアデノシンを抑制する時に目覚めるように仮眠をとれば目覚めがスッキリ。
日中の眠気対策として有効なのです。眠気をとって、集中力がアップします。
現代人の慢性的な睡眠不足、睡眠負債の根本的な解決方法ではありませんが、コーヒーナップは集中力アップや午後の眠気対策としておすすめです。
コーヒーナップの取り入れ方
昼食後、コーヒーやお茶などカフェインを飲んで仮眠をとる。
ただこれだけです。仮眠時間は15分程度の短時間にすること。
なぜカフェインを飲む必要がある?
カフェインを飲むと、眠れなくなるんじゃない?という声が聞こえそうです。
カフェインを飲んでから、腸で吸収され血液で脳に届くまでの時間がおよそ15分。だからカフェインが脳に届く前に仮眠する。そして深い眠りに入るのが20分以降。昼寝の直前にカフェインを飲むことで、寝すぎを防いですっきりと目覚める。
30分以上の昼寝は深い睡眠に入ってしまうため逆にだるさが出るので、15分前後の昼寝がベスト。
これがコーヒーナップのメカニズム。
人間に必要な睡眠を見直そう
睡眠はとても重要なのに軽視されてきました。徹夜で勉強するのがいいとか、短時間睡眠を身につけることがいいとか。
睡眠とは何か?という答えは、人生とは何か?に似ていてまだ明確な答えは出ていないそうですが、最近では脳科学の分野の研究が進み、睡眠は人間の生活の質を安定させるために重要な要素であるということははっきりしています。
睡眠不足が招くリスク
集中力と作業効率の低下
睡眠不足になると、朝から疲労感があり、気分は悪い、気力は低下。集中力が低下しているわけで、作業効率も悪い。
集中力が低下すれば、単純ミスが起こる。そして何か問題が起こっても、問題を解決する方法も閃かない。
集中力、判断能力の低下で大きな事故に繋がることもあります。
免疫力の低下
睡眠が不足すると、免疫システムの機能が低下し、バクテリアやウィルスに対しての抵抗力が低下します。風邪などひきやすい人は睡眠を見直しましょう。
免疫システムの機能が低下すると抗体やサイトカインが不足して感染症を撃退できなくなります。臓器、白血球、細胞など免疫システムに関連する防衛機能全般の機能が低下してしまうのです。
ストレスの増大
脳を休ませることでストレスに強くなります。起きて活動している間、脳はフル回転で音を聞き分けたり、視界に入るものを分析しています。少しも休むことなく働き続けているのです。
外部からの刺激が減る睡眠時間は脳の休息には必要な時間です。カラダも睡眠により緊張から解放されるのです。睡眠不足でストレスが解消できないとますますストレスがたまりやすくなります。ストレスがますます睡眠不足の要因になり、睡眠不足とストレスが互いに影響し合い、悪循環を引き起こすことになり、ストレスが増大します。
暗いところで快適な室温で睡眠の質を高めることで日中のストレスを解消できます。
老化の促進
睡眠中には成長ホルモンが分泌されます。この成長ホルモンは細胞の修復も行います。睡眠が不足すると成長ホルモンが不足し、細胞の修復ができず、老化が促進されます。
カラダを休めることは、細胞の修復をする時間でもあるのです。
肥満(メタボリックシンドローム)促進
睡眠不足は新陳代謝のプロセスを妨げます。新陳代謝が鈍くなることで、必要なエナルギーも使えず、余分なエネルギーを蓄えてしまいます。
睡眠不足はインスリンの効きを低下させてしまい、糖尿病を発症するリスクも高まります。
記憶の混乱
睡眠時の脳は休息だけでなく、日中に経験した雑多な情報を整理して、記憶を定着させるという作業をしています。記憶を整理する過程が夢に出てくると考える研究者もいます。
物忘れが多い、考えがうまくまとまらない人は、睡眠不足が原因の可能性もあります。
一夜漬け、寝ないで勉強するのは、実は試験対策としては有効であっても、学習という意味では逆効果です。
もちろん、認知症との睡眠の関係も研究されています。
まとめ
昼食後にコーヒーナップを取り入れて午後も元気に集中して活動したいですね。
コーヒーナップのカフェインはコーヒーではなく紅茶や緑茶でも有効ですが、カフェイン入りドリンクは避けてください。
睡眠不足は万病の元といってもいいぐらい、カラダの機能への影響は多岐に渡ることがわかります。睡眠負債、睡眠不足を解決するための短時間の効果的な睡眠は無く、最終的には寝るしかないので、コーヒーナップに頼りすぎないでください。
私は若い時は寝なくても大丈夫!なんて言っていましたが、年齢を重ね、新陳代謝が低下してくると短時間の睡眠では復活できなくなってきました。
しかも若い時のように、ぐっすり深い眠りも難しく、浅い睡眠を繰り返している日もあります。睡眠の質を高めるために、いろいろと試して老けないカラダを作っていきます。
(参考)
日本睡眠学会第24回学術大会(広島市, 1999年6月)で行われた第4 回「睡眠科学・医療専門研修」セミナーテキスト
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